株式会社の設立手続B

* 払込の仮装(つづき) *

※見せ金(みせがね)

                             預金
    A(株)B(銀行)
  払込        (同じ)           引出
   発起人CA社 代表取締役C
   借入       返借
              部外者D

預合と違うところは、部外者Dの存在です。

発起人Cは部外者Dから足りない出資金を借り、出資します。

発起人は取締役などになることが多いので代表取締役になったCは、会社設立後Dに借りたお金を返します。

これは預合ではないので、罰則規定はありません。(もちろん罰則規定なので類推適用はできませんね。)

しかし、会社のお金を私的に使用した点から見れば、Cは代表取締役を解職されてもしかたないでしょうね。

* 募集設立 *

(株主の募集)

第57条
1 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。

第58条
1 発起人は、前条第1項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)
 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)
 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日

2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。

3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。

(株主申込)

第59条
1 発起人は、第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。

 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
 二 第27条各号、第28条各号、第32条第1項各号及び前条第1項各号に掲げる事項
 三 発起人が出資した財産の価額
 四 第63条第1項の規定による払込みの取扱いの場所
 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第36条第1項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。

3 第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
 二 引き受けようとする設立時募集株式の数

4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。

5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第3項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。

6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第3項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。

7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

(株主の割当)

第60条
1 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第二号の数よりも減少することができる。

2 発起人は、第58条第1項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。

発起人には割当自由の原則があります。

つまり、たとえ申込があっても、「あなた嫌いだから株式を割り当てない!」ということができます。

少人数ならともかく、100人1000人に設立時発行株式を割り当てる場合は、先着順などにします。


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